近年、Bluetoothイヤホンがかなり普及してきました。 以前は3.5mmイヤホンジャックがないスマホはダメだと言われたものですが、最近ではめっきり聞かなくなりましたね。
私は、付けたまま自由に動き回れるBluetoothイヤホン大好きです。ケーブルが椅子に引っかかってブチリと行くことも、絡まってほどくことも無くなりました。
さて、そんな便利なBluetoothですが、どうしても解決したい課題がありました。
それが「パソコンとスマホの音声を同時に1つのBluetoothイヤホンで聞く方法」です。
「同時に接続」ではなく「同時に聞く」というのがポイントです。つまり2つの音声をミックスしてくれないといけません。
そして、私の知る限りにおいて、同時に聞くことが出来るイヤホン/ヘッドホンは全くありません。それどころか、これを実現するためのアンプやミキサーも見つけられません。(噂によれば無いことも無いとか?)
この記事は、そんな環境を構築するために試行錯誤した私の備忘録です。私自身AV周りに特別詳しいわけでもありません。勉強不足な点もあるかと思いますが、その点はご了承ください。
やりたいこと
私が求めているのはこういう感じのことが出来る装置です。
先の通り、2つの音声を同時に聞くためには、2種類の音源を混ぜなければなりません。
複数の音源を混ぜ合わせるのは、アナログ信号(3.5mmステレオミニプラグ等)なら簡単です。
マルチオーディオスプリッターや、オーディオ分配ケーブルを使って、適当に送信機器と受信機器を繋げば良いのです。
※電気的安全性、ボリュームの不揃いを全て無視する場合に限る
アナログ信号を送るケーブルには送受信の方向が無いので、1対5でも、5対1でも、3対3でも音声が合成/分配がされて聞こえます。(ブロードキャストする感じ)
ただし、複数の機器に分配するということは電力が分散するので再生機器から聞こえるボリュームが小さくなりますし、音声を合成した場合はボリュームが大きくなる恐れがあります。
また、異なる電源が相互に流し合うので、お互いの装置を破壊する恐れがある点には注意が必要です。(今までにそんな経験はありませんが…)
さらに、合成するボリュームはイイ感じに調整されるわけではありません。音を聞きながらそれぞれの端末を操作しなければならず、手元に操作機器がない場合は面倒です。そういうときは、ステレオ音声ミキサーを使って合成したほうが便利です。
※3.5mmステレオミニプラグ用のミキサーは、中国メーカーの怪しいものしか無かったので、RCA端子への変換が必要ですが信頼できるオーディオテクニカのミキサーを紹介します。(RCAとステレオミニプラグの変換は物理形状を変化させているだけなので認識できるような副作用はないです)
ただ、こういうミキサーはホワイトノイズが乗りやすいと聞くので、果たして満足行くかどうかわかりません。
以上、ここまでがやりたいことをアナログで実装した場合の話です。
Bluetoothでミックスするには・・・?
私の知る限りにおいて、アナログ入力信号とBluetooth入力信号や、複数のBluetooth入力信号を混ぜてくれる機械は見当たりません。
そこで、一旦Bluetoothレシーバー(受信機)を使ってアナログ信号に変換し、合成/分配した後にBluetoothトランスミッター(送信機)を使ってイヤホンで聞くという方法を考えました。
アナログ信号ではケーブルの向きを気にする必要がありませんが、Bluetoothでは送信機と受信機で別物を使う必要があります。(中には物理スイッチで役割を入れ替えられるものもあるようです。)
また、送受信機を動かすには外部からの電力供給が必要なので、電源供給の方法によって何種類かあります。
Bluetoothレシーバー(Bluetooth受信機)
パソコンorスマホ >> Bluetoothレシーバー >> 有線AV機器
レシーバーは以下のようなケースで利用されます。 - 有線イヤホンの中間ラインの無線化 - 据え置きスピーカーの中間ラインの無線化 - カーオーディオへの接続
レシーバーには3.5mmステレオミニプラグがあり、愛用の有線イヤホンを繋いで音楽を聞くことができます。
PALOVUE aptX Bluetooth オーディオ レシーバー USB 受信機 ワイヤレスカーキット 車でハンズフリー通話 3.5mm AUX 補助ポート付き 2台同時接続 音楽ストリーミング用 ステレオ 充電不要 (Mini) \2,850
シガーソケット等やUSB等の外部から給電して使うBluetoothレシーバーです。
レシーバーには3,5mmステレオミニプラグがあり、カーオーディオ等に接続して車載スピーカーから再生するのによく使われます。
もちろん、愛用の有線イヤホンを繋いでも良いですし、USB給電なら洋室で据置スピーカーをBluetooth化するのに使っても良いと思います。
エレコム Bluetoothオーディオレシーバー お手持ちのイヤホンを簡単無線化 スティックタイプ ブラック LBT-PAR02AVBK ¥1,998
バッテリー内蔵型Bluetoothレシーバーです。
ポケットなどにピン止めして、この機械にイヤホンを繋ぐ感じで外出先の行動中に使います。
イヤホンにBluetoothが内蔵され始める前は、かなり高機能なものが1万円くらいで売っていましたが、最近は見かけなくなりました。
Anker Soundsync Bluetoothレシーバー(Bluetooth 5.0 レシーバー)【12時間再生 / ハンズフリー通話対応 / 2台同時接続 / 自動車・ホームステレオ・ヘッドフォン・スピーカー対応】 ¥2,399
こちらもバッテリー内蔵型ですが、端子がオスになっていてカーオーディオに接続しやすい構造になっています。
Bluetoothアダプタ / トランスミッター
パソコンorスマホ >> Bluetoothアダプタorトランスミッター >> BluetoothAV機器
要するにBluetooth送信機です。
1. PC用の汎用Bluetoothアダプタ
Bluetoothドライバをパソコンにインストールする必要はあるが、オーディオ以外にも使えるBluetoothアダプタ
2.Bluetoothトランスミッター
どうも調べてみると、トランスミッター専用のが見当たりません。
物理スイッチでトランスミッターとレシーバーを切り替えられるものばかりでした。
スイッチの表記
- TX : トランスミッター(送信機)
- RX : レシーバー(受信機)
カー用品の中にはBluetoothレシーバー機能を備えたFMトランスミッター(ラジオ)もあるので、間違えないように注意してください。
構成例
構成例1
再生デバイスを1つに絞れるなら、こういう構成にすると良いでしょう。
構成例2(実際に使用している構成)
Amazonで色々検索していたら、9000円くらいで送受信切り替え可能なBluetoothアンテナを2本内蔵している装置を発見しました。
スペックはこんな感じです。
- (入出力可能な)3.5mmステレオミニプラグ(AUX) x2
- (送信or受信切り替え可能な)Bluetooth 5.0アンテナ(aptxll / aptx HD/ AAC / SBC)x2
- (入出力可能な)光デジタルオーディオ端子 x2
色々試行錯誤した結果、こうなりました。
この構成で1年活用してますが、注意事項を挙げておきます。
- 出力端子それぞれ(3.5mとBT等)のボリューム調整はできません。+-ボタンで変更できるのはミックス後のボリュームです。個別ミュートできないので有線出力部分は抜き差ししてます。
- 遅延が倍以上になります。アナログとBluetoothデジタルの変換を2回行うことになるので、普通のBluetooth接続の遅延に比べて少なくとも倍になります。SBCで接続しているのもあり明らかに分かるレベルで遅いのでゲームの時には使えません。
- 小さな音声が変換の過程で消失します。
- 周りのケーブルやアンテナの距離によっては、不自然なノイズが入りがちです。個体差かわかりませんが、たまに無音地帯があります。
- イヤホンのボリューム調整機能は働きますが、この装置で止まって、再生元の機器(スマホやパソコン)へは作用できません。ボリューム調整が二段階になる感じです。
- 電波は強くも弱くもなく、iPhoneと同じくらいです。木造一戸建ての中央に置くと、だいたい家全体に届きました。(さすがに不安定なときもあります)
- アンテナが二本あるので、リピーター(中継器)という使い方もできそうです。
図のように、再生端末が増えると一気に複雑化します。だからこそ、再生端末側が複数入力のミックスに対応してくれたら、構成がかなりシンプルになります。
単純に Bluetoothアンテナが3つついた、 Bluetooth+Bluetooth → Bluetooth できる装置があるだけでも、アナログを経由する手間が減ってかなり助かるので、この記事を読んだメーカーさんの今後の動きに期待します。
マルチペアリングとマルチポイント
私がやろうとしていたことを調べるとよく出てくる情報として、1台のBluetooth機器が複数の親機と同時にペアリング出来る、マルチペアリング機能があります。
詳細は他所のサイトに委ねますが、今回のように複数の機器から流れる音声をミックスして同時に再生できるわけではないそうです。
知ってる?Bluetoothの複数接続「マルチペアリング」と「マルチポイント」の違い|radius|ラディウス株式会社 オーディオ・デジタル音響機器・Lightning製品メーカー
その他の宣伝
Bluetoothスピーカー
世の中には、バッテリー内蔵のBluetooth接続のスピーカーというものもあります。
持ち運ぶにはちょっと大きいかもしれませんが、ずっとイヤホンをしていると疲れるので、いつもと違う場所で音楽を聴くときに重宝してます。
首掛けBluetoothイヤホン
完全ワイヤレスのBluetoothイヤホンは便利ですが、やはり落下することがあるので首掛けタイプのイヤホンも気に入ってます。
比較した感想としては
- 床まで落下しない。紛失しない
- 誰かから話しかけられたときに、片耳だけ外してもどこかに無くさない
- ケーブルがマスクと絡まる
- 付けていない時の片付きが悪い(ずっと首にかけておくスタイルなら良)
- 片耳だけの充電ができない(交互に充電ができない)
- ちゃんと接続すれば、ちゃんと充電される。(完全ワイヤレスは位置が悪くて無線充電できてないことがあるという経験から)
USB外付けサウンドカード
パソコンの本体(マザーボード)から出力されるアナログ音声信号は、内部の様々な装置から出る電磁波によってノイズがのりやすいです。
USB外付けサウンドカードでパソコンから離れたところでアナログ信号に変換することで、音質を劇的に改善出来る場合があるのでお勧めです。
最後に
最後に、Excel VBAのブログでVBA書かないと死んでしまうので書かせてください。
Application.Speech.Speak "ここまで読んでいただき" Range("A1").Value = "ありがとうございました!" Range("A1").Speak
うん、よく聞こえる!
以上
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それではまた来週♪ ちゅんちゅん(・8・)